一度でも事故を起こしてしまった車は、市場価値が著しく低下するために査定額が極端に低くなります。そのため、査定前は「事故車であることを隠しておこう」と考える人も多いはず。
そのような考えを持ったとき、ふと頭に過るのは「バレないか心配」「バレた時の罰則は?」「見た目で分かるものなの?」ということ。果たして、事故車であることを隠し査定を受けることはできるのでしょうか?
事故車の定義を知っておこう
当たり前の様に「事故車」という言葉を使っていますが、実は事故車というのは一度でも事故を起こしてしまった車を指す言葉ではなく、指定されている箇所を損傷してしまった車のみ、事故車と呼ばれることになるのです。
例えば、フレームがねじ曲がるような事故を起こした場合は事故車と定義付けられることになりますが、電柱にぶつけ、バンパーがヘコんでしまった・・・程度の事故では、事故車として扱われることはありません。
事故車として定義付けられるのは、以下の箇所を損傷してしまった場合のみです。
- ■クロスメンバー
- ■フレーム (サイドメンバー)
- ■ダッシュパネル
- ■ピラー
- ■インサイドパネル
- ■ルーフパネル
- ■トランクフロア
- ■フロア
上記箇所を損傷し、修復した場合、問答無用で事故車として扱われることになるので注意しておきましょう。また、査定の項目には「事故車」という定義はなく、「修復歴」として扱われることになるので、この辺りも覚えておいたほうが良いと思います。
査定時、事故車はバレる?
さて、ここからが本題ですが、事故車(修復歴有)だということを黙って査定に出した場合、査定士さんにバレることはあるのでしょうか?
また、契約後に事故車とバレた場合、何かしらのペナルティはあるのでしょうか?
わざわざ言う必要はない
例え、明確に(事故車であることを)隠しておくつもりがなくとも、わざわざ事前に事故車だと伝える必要性は全くありません。もちろん、その行為がモラルに反していると感じる場合は、事前に伝えておくほうが良いです。
万が一、その場で事故車であることがバレたとしても、査定士さんが気に止めることもありませんし、ペナルティを付け加えられる心配もありません。
あなたがとるべき行動はただ一つ。
黙って査定が終わるのを待つだけです。長くても30分程度で査定は終わりますので、無駄に余計なことは言わず、査定結果を楽しみにしておくのが、一番ベストな方法です。
基本的にはバレる
事故歴(修復歴)は、いくら黙っていても、どれだけ隠し通そうとしても、査定士さんの目をすり抜けることは非常に難しいことです。ですので、基本的にはバレるものと考えておきましょう。
そもそも、相手は百戦錬磨のプロです。査定のプロから見れば、事故車であるかそうでないかは一目瞭然な訳でして、隠し通せると考えているのは、ただの驕りだということを分かっておきましょう。
事故後、例えどれだけ綺麗に修理していようと結果は同じです。そのため、(事故車であることを隠すために)査定前に修理に出したり、あれこれ模索する必要性は全くありません。
お金をかければかけるだけ傷口を広げてしまう結果になりますので、「何もしない」というのが正解となります。
バレないこともある
前項で査定士は査定のプロだから、事故歴を見逃すことはありません!と言ったのですが、どれだけ優れた査定士さんも、私達と同じ人間です。
ヒューマンエラーを起こし、事故歴を見逃してしまうことも(稀にですが)考えられないことではありません。実際、事故歴を隠し通し、相場通りの査定額を手に入れた。という話を聞いたことがありますから。
だからと言って事故車であることを隠し通すのは、モラル的にどうなのかな?と思う節もありますが、査定を行い、実際にお金を支払った以上、買取店側に過失があるものとされます。
事故車であることを黙っていても、こちら側には何の落ち度もありませんので、その点は安心しておきましょう。
バレたときの罰則はある?
先ほどもお話した通り、事故車であることを事前に見つけられなかった過失は買取店側にあります。事故車であることを見抜くことを前提に査定を行いますので、売り手側には何の落ち度もありません。
ですので、事故車であることが後々判明したところで、罰則を受けることは考えられません。(ただし、明らかな悪意を持ち、詐欺的な行為であった場合はこの限りではありません)
ただ、買取店によっては契約書に「修復歴が判明したときに関する規定」が書かれていることがあります。例えば、事故車だと判明したときは契約を無効にする、査定額を見直す。という具合です。
このように、事故車だと黙って査定に出したところで、バレるのが関の山ですし、後々のトラブルに発展してしまうリスクもあります。そのため、事前に事故車であることを伝え、より円滑に車の売却契約を結ぶことをオススメします。