中古車購入時には、検討している車が「事故車」ではないか?「修復歴」がある車でないか?ということを、必ずチェックしておいたほうが良いです。
見た目は「ピカピカ」で、どう考えても事故を起こしたように見えなかったとしても、「実は過去に大規模な事故を起こしたことがある車」であるという可能性は拭えないですから。
ただし、中古車販売時は顧客に「修復歴車であるかどうか」を伝える義務がありますので、それほど心配することではありません。
プライスボードを見れば「修復歴有」「修復歴無」、いずれかが表記されていますので、確認してみて下さい。
さて、当たり前のようにお話している「修復歴・事故車」というワードですが、両者の定義について事細かく説明できる人はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
おおよそ「修理したことがあるから修復歴車なんじゃねーの?」ぐらいの認識であることがほとんどだと思いますので、このページで両者の違い、定義について紹介していこうと思います。
事故車の定義
事故車とは、言葉通り「事故を起こしたことがある車」を指す言葉であり、販売店では「事故歴」として扱われていることがほとんどです。
例えば、信号待ちをしているときに後ろから玉突きされた。
運転していたドライバーに過失はありませんし、車が破損してしまったことに関しても、ドライバーには1つも責任がありません。
しかし、「事故をした」という事実は消えませんので、このような場合でも「事故車(事故歴のある車)」として扱われることになるのです。
一度でも事故を起こしてしまった車は、査定時に減額される可能性が高いですし、販売時も「安く売りだされる」傾向にあります。
ですので、相場より明らかに安く売られている車は「事故を起こした車なのかもしれない」と疑ってかかるようにし、不安を感じた場合、スタッフに確認してみることをオススメします。
販売店は、その車が「修復歴車」である場合、顧客に伝えなければならない義務がありますが、事故歴に関しては顧客に説明しなければならない義務はありません。
そのため、事故歴に関しては「気付きにくい」ことが多いのですが、一般的に優良とされる販売店であれば、「事故歴はありませんか?」と質問することにより、その可否を教えてくれることがほとんどです。
稀に「売れればなんの問題もない。事故車であることを隠して売りつけてやろう」と目論む悪質な業者も存在しますので、その辺りは十分注意したほうが良いですね。
残念ながら、どれだけ月日が経とうとも、どれだけ悲願しようとも、そのような悪徳業者がなくなることはありませんので、個人個人がリスクを感知し、避けて通る能力を身につけることが必要なのです。
ただし、電柱の角に軽く擦ってしまった・・・と、このように軽微な損傷であれば「事故車」とは認められません。あくまで、一般的に「事故」と認識されるほどの事故を起こした車のみ、「事故車」として扱われると認識しておきましょう。
個人的には「事故歴がある中古車」を購入することはオススメしていませんが、相場よりも安く買えることがほとんどですので、予算の都合でどうしようもない・・・というときは、事故歴のある車を買うという選択肢を持ってみてはどうでしょうか?
修復歴の定義
車の「修復歴」に関しては、販売業者が顧客に伝えなければいけない義務があります。万が一、「隠蔽」しているような業者を見つけてしまった場合、その店で中古車を購入することは避けましょう。
悪質だと感じた場合は、通報するのも一つの手です。
さて、そんな「修復歴」ですが、その名の通り「車を修理、修繕した過去がある車」のことを指します。ですので、中古車選びの重要な指標として考えておいたほうが良いでしょう。
修理をしたことがある車と、そうでない車。どっちが良いか?と議論する余地すらありませんね。当然ながら、「修復歴無」な車に軍配があがることでしょう。
しかし、事故車同様「相場よりも価格が安くなる」ことがほとんどですので、より安く中古車を買いたい!と考えるのであれば、敢えて「修復歴車を狙う」という手もあります。
オススメはしませんが、選択肢の一つとして考慮してみてはどうでしょうか?
さて、「修復歴がある車」の定義ですが、一体どう考えられているのでしょう?
恐らく、多くの人が「修理をしたことがあるから、修復歴車なんじゃないの?」と考えているでしょうが、例えば「凹みを治した」という軽微な修理の場合、修復歴には該当しないことになっています。
そもそも、修復歴には明確な基準が存在します。具体的には、「車の走行に不具合を生じさせてしまう箇所」の修理に関してのみ、「修復歴車」の烙印が打たれることになります。
- フレーム(サイドメンバー)
- フロントクロスメンバー
- フロントインサイドパネル
- ピラー
- ダッシュパネル
- ルーフパネル
- ルームフロアパネル
- トランクフロアパネル
- ラジエターコアサポート
このように、「車の骨格」に位置づけられる箇所を修理、修繕した場合のみ、「修復歴有」の車として扱われることになります。
それ以外の外装や内装をいくら修理していたところで「修復歴」には含まれませんので、気になる人は入念にチェックしてみることをオススメします。
案外、外装の凹みを直した後なんかは、素人目で見ても分かってしまうことがありますから。
どう判断する?
結論から言えば、「事故歴」「修復歴」がある車を購入することは、本来避けるべき道です。
もちろん、両者いずれかに該当するからといって「悪い車」「すぐ潰れる」と判断するのは軽率ではありますが、確率論で考えると、やはり選択肢からは除外したほうが良いと云わざるを得ません。
やはり、事故をしたこともなく、修理した経歴のない車のほうが、そうでない車よりも「潰れにくい」と言えるでしょう。もちろん、確率の問題ですので、そうでないことも考えられますが。
さらに言うと、「修復歴」のある車は査定時のマイナスポイントになります。
要するに、「売却時、安く買い取られてしまうことになる」ということですね。
「安く買えるし、妥協して修復歴車を買おう」と考え購入したのは良いが、いざ車を乗り換えようと査定に出すと「二束三文」で買い叩かれてしまった。
となると、結果として安く買った意味がなくなります。
反対に、「売るときのことなんて関係ない。今が良ければそれで良し」と考えているのであれば、相場より安く買えるであろう「修復歴車」を狙い撃ちするのも一つの手ですね。
そこらへんを考慮し、購入するかしないかの判断をつけてみることをオススメします。