中古車を探していると、「レンタカー落ち」と書かれている車を見かけることがあるはずです。最近はレンタカーの需要も増えていますし、そういった中古車がとても多くなる傾向にあります。
人によっては「レンタカー落ちの中古車は止めておけ」と言い張る人もいますが、果たしてその意見は鵜呑みにしても良いのでしょうか?
今回は、「レンタカー落ちの中古車は買っても大丈夫?」というテーマに沿ってお話を進めていこうと思います。「レンタカー落ちの中古車を買うかどうか迷っている」人は、ぜひご一読頂ければと思います。

レンタカー落ちの中古車は買っても大丈夫??
レンタカー落ちとは?
そもそも「レンタカー落ち」ってなんなの?って話ですが、これは言葉通り「元々レンタカーとして活躍していた車が、中古車市場に流れてきた」ということです。
簡潔にまとめると「元レンタカーの中古車」ということですね。
レンタカー落ちの中古車を見分ける方法は簡単で、中古車のフロントに貼られている「プライスボード」を見ることで一目で確認できるようになっています。
というのも、「自動車公正取引協議会」の取り決めで、「販売店は、レンタカー落ちの中古車であることを提示しなければならない」と決められているからです。
さて、そんなレンタカー落ちの中古車ですが、買うことによるメリットはどのようなものがあるのでしょうか?反対に、後悔してしまうようなデメリットはあるのでしょうか?
レンタカー落ちのデメリット
まずは、レンタカー落ち中古車の悪い部分、即ち「デメリット」についてお話していきます。中古車である以上、どうしても「悪い部分」がでてしまいます。
あらを探す訳ではありませんが、購入時は「悪い箇所」から目をそらさずに向き合うことが、「良い中古車」に巡り会える可能性を底上げしてくれることになります。妥協せず、しっかりと検討するようにしたい所ですね。
レンタカー落ち中古車のデメリットは以下の通りです。

- 走行距離が多い
- 不特定多数の人が使用していた
- 細かい傷、汚れが多い
では、一つずつ簡単に見ていきましょう。
走行距離が多い
レンタカー落ちの中古車は、言わずとも「レンタル」するための商用車として稼働していたことになるので、どうしても「多走行車」になってしまいがちです。
自家用車として所有されていた中古車であれば、一般的に「1年=10000km」が基準となりますが、レンタカー落ち中古車の場合は「1年=2〜30000km」と、年間走行距離が倍以上に膨れ上がっていることが多いです。
車のコンディションや価値って、「走行距離」を目安に考えることがほとんどですので、「走行距離が多い」というのはデメリット以外の何者でもないのです。
また、年間走行距離が多いことで、「年式が新しい車」であっても多走行車であることがほとんど。例えば3年落ちの比較的新しい車であっても、10万km近く走行している場合がある。ということです。
レンタカー落ち中古車を検討するときは、「走行距離」に注目するようにし、年式と走行距離の比率が釣り合っていないようであれば購入を断念する勇気も必要だと思います。

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不特定多数の人が使用していた
レンタカーは毎日のように運転するドライバーが変わりますので、不特定多数の人が使用していた車と考えるのが自然です。
仮に年間300人にレンタルし、可動年数が3年とした場合、なんと「900人」ものドライバーが代わる代わる運転していたことになりますね。中には生理的に受け付けないような人が運転していたこともあるでしょう。
不特定多数の人が使用してたことによるデメリットとして「どのような運転をしていたか分からない」ということが挙げられます。車って、運転するドライバーでコンディションが変わりますからね。ほんとに。
中には「レンタカーだし無茶苦茶な運転をしてやれ!」と、心ない運転をする利用者もいると思います。そのため、レンタカー落ちの中古車は「コンディションが悪い車が多い傾向にある」と言えますね。
細かい傷、汚れが多い
前項でお話した通り、レンタカー落ち中古車は「不特定多数の人」が使用していますので、使用に伴う「細かい傷や汚れ」が多くなる傾向にあります。
所詮、レンタカーを利用する人は「自分の車じゃねーし」って感じで運転しますので、どうしても傷、汚れが蓄積されていくことになるのです。
また、1回の使用毎に「洗車」をすることがほとんどですので、それに伴う「洗車傷」も多く見られます。
傷や汚れが直接「車のコンディション」にアレコレ影響することはありませんが、傷だらけの車や汚らしい車は「資産価値」を落としてしまう一つの原因となります。
一般的には、1つの傷につき「−1点(査定時はおおよそ1点=1000円と計算されます)」の減点となりますので、傷が多くなればなるほど「価値が下がる(売却金額が安くなる)」ということです。
このことから、レンタカー落ちの中古車を買うときは、内外装の傷や汚れを徹底的にチェックしておくことをオススメします。

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レンタカー落ちのメリット
続いて、レンタカー落ちの中古車を買うことで得られるメリットについて考えていきましょう。デメリットの裏には、それを帳消しにするほどのメリットもありますので、購入時の指標として考えて頂ければと思います。
レンタカー落ち中古車のメリットは以下の通り。

- 値段が安い
- 良好な整備
- 年式が良い(高年式)
では、1つずつ見ていきます。
値段が安い
これが、レンタカー落ち中古車「最大のメリット」となります。「車になんて、そんなお金をかけられねーよ!」という人は、値段が安くなる傾向にあるレンタカー落ち中古車を選んでみてはどうでしょうか?
レンタカー落ちの中古車は走行距離が多い(年式と走行距離が比例していない)こともあり、一般的な(中古車を求めている層)からの支持が薄く、要するに「不人気車両」となりますので、結果として相場より安く売られていることが多いです。
また、レンタカー業者と中古車販売店が直接取引することも多く、「車両の仕入れ価格が安い」ということも、「レンタカー落ちの中古車が安くなる」一つの要因となっています。
例えばトヨタ系列の中古車販売店であれば、トヨタレンタカーから流れてきた中古車がとても多いです。
このように、レンタカー落ち中古車は「値段が安くなる」傾向にありますので、より安く車を手に入れたい人にとっては願ってもない掘り出し物になる可能性を秘めています。
良好な整備
レンタカー落ち中古車の場合、一般的な中古車(個人所有のもの)に比べ、圧倒的に「良好な整備」が施されていることになります。
レンタカーとして貸出している以上、中途半端な整備をする訳にはいきません。貸出中に万が一トラブルなんてあった日には、グループ間を巻き込むような重大な事例になることは避けられませんから。
少なくても1ヶ月に一度は整備をしているでしょうし、法律で「(レンタカーに限り)半年に一度は絶対整備しなさいよー」という取り決めがされていますので、その点で見ても「整備が行き届いている」と言えます。
個人所有の車だとそうはいきませんからね。多くの人は「12ヶ月定期点検」はすっ飛ばし、「24ヶ月定期点検」即ち、車検時にしか整備しない人が大半を占めるでしょう。
このように、レンタカー落ち中古車には「良好な整備がされている」というメリットがあります。
年式が良い(高年式)
レンタカーは基本的に「年式が新しい車」を客に貸出していますので、中古車市場に流れてくるレンタカー落ちの車は総じて「年式が良いもの」が多いです。
3年落ちとか、5年落ちとか。高年式な車を求めているのであれば、レンタカー落ちの中古車は狙い目と言えますね。
また、一般的な中古車に比べると「(レンタカー落ちの中古車は)安く」売られていますから、高年式な中古車を相場より安く手にいれることができます。
まとめ
レンタカー落ちの中古車を敬遠する人は多いと思いますが、こうしてメリット、デメリットを並べてみると、「あれ?レンタカー落ちの中古車もアリじゃね?」と思いません?
ただやはり、不特定多数が問答無用で運転してきたレンタカー落ちの中古車ですから、購入前には「入念なチェック」を行うことを忘れないで下さい。
走行距離と年式の比率を見たり、内外装の傷・汚れを確認したり、中古車のコンディションを素人目で見ても判断できるポイントは沢山あるはずです。
買った後に後悔しないよう、間違いない中古車選びをして頂ければと思います。