軽自動車には、「維持費が安い」「購入予算が安く済む」「燃費が良いので、年間のガソリン代が安い」など、コスト面で「良いイメージ」を持っている人は多いです。
確かに軽自動車の年間維持費は、普通車に比べて安く済みますし、燃費性能でも普通車に負けていません。
ですので、「コストパフォーマンスが良い車」であることは間違いないのですが、実は「軽自動車は新車価格(中古車価格)が意外と高い」のです。
軽自動車と言えば、「100万円以下で買える」「150万円出せば最上級グレードを買える」なんてイメージもありますし、悪い意味では「貧乏人が乗る車」とイメージしていた人もいるはずです。
ではなぜ、最近の軽自動車価格はここまで高くなってしまったのでしょうか?
新車価格を見る
軽自動車の新車価格がどれほど高くなっているのかを確認するため、人気車種の価格をグレード別(低グレード、一般グレード、最上級グレード)の3つに分けて見ていきます。
※2016年6月時点の現行モデル
低グレード | 一般グレード | 最上級グレード | |
---|---|---|---|
N-BOX custom | 1,480,000円 | 1,670,000円 | 1,859,400円 |
ワゴンR スティングレー | 1,465,000円 | 1,586,520円 | 1,735,560円 |
タントカスタム | 1,528,200円 | 1,652,400円 | 1,873,800円 |
ウェイク | 1,350,000円 | 1,555,200円 | 1,841,400円 |
ハスラー | 1,078,920円 | 1,359,720円 | 1,717,200円 |
これに加え「諸費用」「オプション費用」がかかりますので、最上級グレードの場合、支払い合計が200万円を超えることになりますね。
「低グレード」を選択すれば安く買えるようにも感じますが、やはり低グレードは「質が低い物」となっており、最低限の装備しか備え付けていなかったり、見た目的にも「(悪い言い方ですが)ショボく」なります。
どうせ新車を買うなら・・・と、一般グレード以上を選択する人がほとんどでしょうし、そう考えると「軽自動車を買うときに必要なお金」は150万円〜となりますね。
ミニバンクラス〜と比較すれば、軽自動車の新車価格は「安く」感じてしまいますが、コンパクトカーサイズ(FITやカローラなど)の普通車と比較すれば「あまり変わらない」ということに気がつくはずです。
「車体価格が安い」というイメージだけで軽自動車を選択するのであれば、同じ価格帯で購入できる「コンパクトカー」も視野に入れておいたほうが良いことになりますね。
中古車も高い?
新車価格も然ることながら、軽自動車は「中古車価格」もお高いことが多いです。
もちろん、走行距離が10万km〜、年式は10年落ち〜、なんて中古車になれば話は変わってきますが、低走行距離車で年式も比較的新しい軽自動車の場合、例え中古車であっても「新車に近い値段」で取引されています。
例えば、人気のあるN-BOXなんかの場合、新車価格と中古車価格が10万円ほどしか変わらない。なんてことも、特に珍しいことではありません。
その10万円の差額を「絶対に許せない、許容範囲外」と言う人は別ですが、一般的に考えれば「10万円の差額程度であれば、中古車よりも新車で買ったほうが良い」となるはずです。
中古車よりは新車のほうが「保証内容」が充実していますし、好みのカスタマイズ(ディーラーオプション)も思いのまま。
そのように考えれば、10万円の差額は誤差の範囲といえますね。(もちろん、安いに越したことはありませんが)
ただし、走行距離が多く、年式が古い(ワンモデル古い)軽自動車に関しては、(新車に比べ)圧倒的に安く買うことができます。
なぜ軽自動車は高いのか?
なぜ、一昔前であれば「100万円〜」買えた軽自動車が、ここまで高い価格水準になったのかというと、やはりそこには「高くても売れる」というのが大前提にあるからでしょう。
新車にしても中古車にしても、「普通車よりは安い」という価格設定にしておけば、消費者は特に疑問を感じず購入してくれますからね。
日本では軽自動車の需要がとても高いです。
新車販売の4〜5割は軽自動車が占めていると聞きますし、今後もこの傾向は更に強くなると予想できます。
要するに、「みんな買ってるから買っておこう」的な感じですね。
また、最近の軽自動車は「普通車顔負け」とも言えるほど内外装が豪華になっています。
そのため、製造コストも高くなりますし、開発費用も沢山かかることになります。この背景が、軽自動車の新車価格を底上げしている原因だと考えられます。
最終的にはお得?
軽自動車はとても人気があります。
そのため、「値崩れしない」というメリットがあり、要するに「売却時に高く売れる可能性が高い」のです。
ということは、購入時に高いお金を支払っていても、売却時に取り戻せることになり、結果として「安く買えた(乗れた)」ということになりますね。
また、軽自動車は「保険」「税金」「高速料金」など、普通車に比べて維持費が安くなるというメリットがあります。
そのため、長く所有すればするほど、普通車よりも低コストで所持できることになりますので、最終的には「お得」ということになるのです。
結論としては、「軽自動車の新車(中古車)価格は高い」が、やはりコスト面で見れば依然「最強」だということです。
なるだけ安く車を所持したい方は、軽自動車一択ですね。