中古車を「自動車ローン」で買う人も多いと思いますが、その一方で「現金一括払い」にて中古車を購入する人も多いかと思います。割合で言えば五分五分といったところでしょうか?
いずれにせよ「中古車を買う」という根本的な目的を果たすことができることは間違いありませんが、巷では「中古車って、現金一括払いのほうが値引きしてもらえるんだぜ?」という話をチラホラ聞く機会があります。
なにがどうなって、そのような噂が流れ始めたのかは分かりませんが、現実問題「中古車を現金一括で買う」ことによる値引き額の底上げはあり得るのでしょうか?
今回はその謎に迫っていきたいと思います。
値引いてもらえる?
いきなり核心に迫ってみたいと思います。果たして、中古車を現金一括で買うことによる値引き額の上乗せはあり得るのでしょうか?
結論から言うと、「(現金一括だからといって)値引いてもらえる可能性は極めて低い」といえます。むしろ、どちらかと言うと「ローン払い」のほうが値引いてくれる可能性は高くなります。(理由は後述)
そもそも、「新車」では当たり前になっている「値引き」ですが、中古車市場でその法則は通用しません。新車と同じノリで「いくら値引いてくれる?」と商談に入ると、非常に高い確率で嫌な顔をされることになるでしょう。
「こいつは何を言っているんだ・・・」と。
中古車の価格設定って、ギリギリ利益がでるかどうかの境目に設定されていることが多いです。販売店によっては、車を販売することによる利益はゼロにしているところも珍しくはありません。
車両本体で利益を出すのではなく、「手数料収入」をメインに営業を続けている販売店も多いですので、そもそも「値引き」という概念がなく、売られている価格=最安値となっていることがほとんどです。
そのため、基本的には(現金一括であろうと、ローン払いであろうと)中古車は値引きできないもの。と認識しておくようにしたほうが良いですね。
それでもなお、値引きしてくれる販売店も中には存在しますが、そのような販売店でも、現金一括払いよりはローン払いのほうが優遇される(値引きしてもらいやすい)ことになります。
その大きな理由として、信販会社から得る「インセンティブ(報酬)」が大きな要因となっています。
信販会社からのインセンティブ
ローンを組み中古車を買うことになると、大なり小なり「金利」が発生することになります。
例えば150万円の中古車を金利5%で60回払いに設定した場合、利息は「198,411円」となり、総支払い額は「1,698,411円」となります。要するに20万円ほど多くのお金を払わなければいけないということですね。
なので、ローン会社は中古車販売店へ「顧客にローンを組ますことができれば、報酬として◯◯円あげるよ」とインセンティブを付加するのです。
簡単な話、「(信販会社から)お小遣いを貰える」ことになるのですね。
このように、顧客がローンを組んでくれることにより、少なからず販売店は利益を増幅することができるようになり、結果として「値引きしてもらえる可能性が高くなる」といえます。
現金一括払いだと信販会社からの報酬が1円も入ってきませんので、その分「値引きしてもらえる可能性は低くなる」と言わざるを得なくなります。
ローンを勧められた場合
上記のような理由から、現金一括払いをしようとする顧客へ対し「ローンを組んで下さい」と打診してくる販売店も少なくありません。
現金で払うより、ローンで払ったほうがお得ですよ?的な。
このような場合、人が良い人に限って二つ返事で「いいですよ」と受け入れてしまいがちですが、正直なところ「ローンにして下さい」という販売店の思惑にまんまと乗ってあげる必要性は微塵もありません。
彼ら、自分たちの利益を追求してるだけですから。顧客のことなど一切考えていない。
現金一括払いで買うと言っているのにも関わらず、ローン払いを勧めてくるような販売店に当たった場合、体よく断るか、もしくは商談をキャンセルするぐらいの気持ちを持っておきましょう。
本当に優良な販売店であれば、顧客の支払い方法を無理に変更するような愚行に走ることはありませんから。
どっちがお得?
値引きの有無にとらわれず、現金払い、ローン払いのどちらがお得か?という問に対しては、圧倒的大差をつけて「現金一括払い」をオススメします。
お金があるのなら、ローンなんて組まずに現金でパッと払っちゃいましょう。
やはり、ローンで支払いをすれば「金利」がかかってしまいます。車は高価な買い物ですので、少ない金利でも支払い総額が膨れ上がってしまいますので。
例え「ローン払い」で値引きに成功したとしても、金利による価格差でマイナスになってしまえば元も子もありません。
現金払いとローン払い、2つの選べる選択肢があるのでしたら、迷わず「現金一括払い」で中古車を手に入れるようにして下さいね。