車にはフロント、サイド共に耐久性が高いガラスが張ってあるのですが、極稀に、フロントガラスにヒビが入ることがあります。実際、私も「HONDA ライフ」のフロントガラスに10cmほどのヒビが入った経験があります。
どれだけ気を使った運転をしていても、フロントガラスにヒビが入ることを防ぐことは難しいので、今回は「フロントガラスのヒビは修理できる?」「原因は?」というテーマに沿ってお話していきたいと思います。
一体なぜ!?フロントガラスにヒビが入る原因
大前提として知っておきたいのは、車のフロントガラスには「合わせガラス」が使用されているということ。万が一の事故からドライバーを守るため、フロントガラスに大きな衝撃が加わったときは、粉々に割れるような細工がしてあるのです。
そのことを踏まえたうえで、フロントガラスにヒビが入る原因を探っていきましょう。
飛石でヒビが入る
フロントガラスにヒビが入る原因として確率が高いのは、「走行中の飛石」です。おそらく、ひび割れ被害の8〜9割は、この飛石が関わっているのではないでしょうか?
特に高速道路走行中、前を走っているダンプカーから比較的大きな石が飛んできたり、前の車がタイヤで巻き上げた石が飛石となり、フロントガラスに直撃することがよくあります。
飛石が原因でフロントガラスが全壊してしまった・・・という話は聞いたことがありませんが、飛石のせいでヒビが入ってしまった・・・というのはよく聞く話です。
飛石に関しては、相手の責任を問いにくい(証拠がない)ため、自己負担で処理しなければならないことが多いです。前の車との車間を大きく開けたり、ダンプカーの後ろを走らないなど、何かしらの対策をとることをオススメします。
熱湯をかけた
あまり前例は多くなく、非常に確立が低いと考えられるのですが、「熱湯」をかけることでフロントガラスにヒビが入ることもあるようです
特に寒冷地にお住まいの方は、毎朝「車のフロントガラスが凍っている」と思います。溶かさないことには車を動かせないので、手っ取り早く「熱湯」をかけ、氷を溶かすことで解決する人も多いのではないでしょうか?
真冬の冷気で冷えきったフロントガラスへ、熱々の熱湯をかける訳ですから、急激な温度の変化でフロントガラスへヒビが入ってしまいます。
要するに、熱湯をかけることでガラスが膨張してしまい、急激な膨張に耐えられなくなったことで、ヒビが入ってしまうのです。凍ったフロントガラスをお湯で溶かすときは、40度ぐらいのぬるま湯で対処することをオススメします。
フレームが歪んだ
こちらも可能性としては相当低いのですが、あり得ないことはないので、一応書いておきます。車は、沢山のフレームで枠組みされ、形成されています。
そのため、フレームが曲がってしまうと見た目、機能性に様々な問題が出ることになり、故障の原因にもなります。
フレームが歪んでしまえば、すっぽりとハマっていたフロントガラスにも、何かしらの圧力がかかることになります。その結果、フロントガラスが変形してしまい、ヒビが入ってしまう。ということになるのです。
「飛石もなければ、熱湯をかけた記憶もない・・・」にも関わらず、フロントガラスにヒビが入っている場合は、フレームの歪みを疑ってみてはいかがでしょうか?
修理はできる?
フロントガラスにヒビを発見したときは、ショックと絶望から途方に暮れてしまうことになるでしょうが、安心して下さい。フロントガラスのヒビを修理することは可能です。
ただし、ヒビの規模によっては大きな出費になることも考えられますので、その点は覚悟しておき、保険の利用も検討しておきましょう。
ウインドリペア
冒頭でお話した通り、車のフロントガラスは「合わせガラス」になっており、要するに二重構造になっています。そのため、飛石が当たっても、全壊することはなく、表面側だけがヒビ割れするだけで済むのです。
このひび割れを放置してしまえば、どんどんヒビが広がり、最終的にフロントガラスそのものがダメになることが考えられますので、できる限り早い段階で修理を行わなければなりません。
そこで便利な修理方法は「ウインドリペア」と呼ばれる手法で、ヒビ割れに特殊な樹脂を塗り、ヒビを埋めてあげることで解決する方法です。
費用は10000円〜とそれほど高額ではなく、以前(私の)愛車だったライフのひび割れを直した方法も、ウインドウリペアです。
樹脂でヒビを埋める・・・と聞くと、「跡が目立つんじゃないの?」と考えてしまいますが、ほんと、驚くほど修理の跡が分からなくなります。
なんでも、樹脂が固まると、フロントガラスとの屈折率が同じになるため、修理跡が分からなくなるそうです。技術の進歩って、ほんと凄いですよね・・・。
フロントガラスを交換する
ヒビの範囲が広く、ウインドリペアで対応できない場合は、フロントガラスを取り替えることで解決することができます。ただ、車に合ったガラスが見つからず、修理に時間がかかることがあるので、その点は理解しておきましょう。
ウインドリペアは一万円〜程度で修理できる一方、フロントガラスを取り替えるとなれば、恐らく10万円〜程度の費用がかかることになります。
10万円もの大金をポンッと出せる人であれば別ですが、車両保険に加入しているのであれば、保険を使って対応することをオススメします。実費修理って、ほんとバカらしいですからね。
車検に通らない?
フロントガラスへヒビが入っていた場合、車検に通らないことがあります。この場合、ウインドリペアを使って解決できますので、車検が近い人は、早急に対処しておきましょう。
ただし、フロントガラスにヒビが入っていても、車検に通るケースがあります。修理する前にでも、「フロントガラスにヒビが入っているんですが・・・」と相談してみるのもアリですね。
例えば、助手席側にヒビがある場合。このケースであれば、運転に支障はないと判断され、車検に通る可能性が高いです。反対に運転席側にヒビがある場合は、運転に支障がでて危険だと判断され、車検に通らないことが考えられます。
この辺りの基準が曖昧なため、車検を受ける前は注意しておきましょう。
査定額にも影響する
車を売るとき、フロントガラスにヒビがあった場合、査定額へマイナスな影響を与えることになります。フロントガラス交換レベルのヒビですと、数十万円の減額も考えられるので、その辺りは覚悟しておいたほうがいいですね。
ヒビ程度であれば、数万円、数千円の減額で済むことが多いです。
そう聞くと、査定前に「フロントガラスを修理しておいたほうがいいの?」と考える人もいるでしょうが、その必要性は全くありません。
修理しても、修理代金分の増額があるとは限りませんし、結果として損をする可能性が高いです。車を売るときは、ありのままの姿を見てもらうようにしましょう。
自分で修理すべき?
実は、フロントガラスのヒビは自分で直すことができます。
カー用品店やAmazon、楽天などで修理キットが売られているので、それらを利用することで自分で修理することが可能なのですが・・・個人的には、あまりオススメしていません。
フロントガラスのヒビって、下手をすれば事故に直結する可能性があるじゃないですか?急にガラスが全壊し、前の車にぶつかってしまった・・・みたいな感じで。
下手な修理ですと、そうなる可能性も高くなりますし、失敗し、修理跡がめちゃくちゃ目立つ・・・なんて事も考えられる訳です。
修理キットは3000〜5000円ほどで手に入りますが、プロに依頼しても、1万円程度で済むことがほとんどです。もちろん、安いほうが良いに決まってますが、差額で安心を買えると考えると、安いもんだと思いませんか?
上記の理由から、私は(フロントガラスのヒビを)自分で直すことはオススメしていません。